投稿

10月, 2017の投稿を表示しています

グワダルキビール川の最初の一滴

スコットランドの独立を問う住民投票が迫る中 くすぶるカタルーニャの独立もニュースになり その歴史を紹介するバックに『鳥の歌』がながれていました。 (カザルス/チェロ奏者で有名です) 『鳥の歌』はとても強く印象に残るカタルーニャの民謡で 私の中において、スペインのイメージを構成しています。 スペインと言えば、カタルーニャ生れのダリと親交の深かったロルカも そんなイメージを構成する要素の一つで、彼の詩がとても好きです。 後にロルカへの関心の連鎖で興味を抱いたのが ロルカの詩の朗読で有名だった天本英世という俳優でした。 もう6年ほど前(?)になるでしょうか、黒いマントを着て スペインを訪ね歩くドキュメント(再放送?)を見た記憶があります。 ドキュメント中、農作業をしているおばあさんの前で ロルカの詩をスペイン語で歌い上げるシーンは、不思議な魅力がありました。 農婦のおばあさんにもロルカの詩は親しまれていて これが歴史であり文化なのだと感動しました。 そして彼はおばあさんに尋ねます。 「僕が死んだらこの川に灰を撒かせてほしいのです... 」 アンダルシアの入口の東に カッソーラという小さな美しい町がある。 山に雪を項いた、美しい小さな町がある。 町をさらに山へ入ったところに グワダルキビール川の最初の一滴という名のついた 水の涌いている地点がある。 もしも私が日本で死んだなら その源に、私の灰を撒いてほしい。 (遺言より抜粋)   僕は眠りたい ほんの少し、   ほんの少し、一分、一世紀、   しかし、みんな知っていて欲しい   僕が死んだのではないことを                  lorca

かにかくに

誰にも行き詰まることがあるから あれやこれやとグッタリ疲れ、ふらりとドライブに たどり着いたのは飛騨の金山。 細い路地は、一人通るのがやっと。 隠れるように残されたベンガラの壁 網代張りの戸袋や下見板張りの外壁などなど 往年の宿場町の賑わいを今に語る。 観光地としての夢はまだ眠ったままであることに なぜだかほっとしながら町を歩くと 『日本書紀』で皇命に逆らう賊とされた両面宿儺の伝説 歴史から抹殺された飛騨の不思議に出会った。   帰宅してからnetで検索   「安吾の新日本地理 飛騨・高山の抹殺 ―中部の巻―」   (坂口安吾著)を見つけました。   長い文章なので、お時間があるときにでも検索してください。   文末に添えられていたのは   かにかくに物は思はずヒダたくみ打つ墨縄のただ一筋に  人麻呂 疲れた心にずっしり落ちてくる。