投稿

6月, 2018の投稿を表示しています

イメージ
エアコンなどないころのこと 蚊取り線香とうちわをあおぐ影が縁側のまどろみにゆらいでいた。 慌ただしく過ぎた日々に姿を現すことなく ほんとうに長く、忘れていた夏だ。 満たされた時間だったのだろうか? 忘れた夏と一緒に一つひとつ記憶から毀れた四季の設えとも、 遥か遠くに暮らしているようだ。 なんてことない、オールシーズンOKですという 優れもののカーテンを洗濯機に放り込んで、 少し気だるい午後の日差に くすんだ日々も、一緒に放り込む。 けれども君が傍にあるころは 透き通る季節を暮らしていたような… あれは、わずかに汗ばむ夜のことだっだ。