投稿

1月 16, 2019の投稿を表示しています

どのような名前で呼んでもバラの香りは甘い

That which we call a rose by any other name would smell as sweet. (どのような名前で呼んでもバラの香りは甘い) シェークスピアはジュリエットに 「名前に何の意味があるというの? 私たちがバラと呼ぶものは、 他のどんな名前で呼んでも、同じように甘く香るわ」と言わせた。 無位無冠で作品に名前を入れなかった陶芸家河井寛次郎は 「どのような茶わんがそこに転がっていても その茶わんに銘が刻まれていなかったら いかほどの人がその茶わんを拾い、それに心惹かれるだろうか…」 と疑問を投げかけた。 実体が大切だと言う事なのだろうな。 しかし現実はさほど甘くもなさそうだ。 (名前と性質とはしばしば一致する) 日本では「名は体を表す」と言う事? 名は体を表すという言葉の裏を返せば 私たちは確信出来るものの価値判断が出来ない、 ないしは その基準を形成する教育を受けてこなかった。 だから価値判断の拠りどころとして 名前(言葉)に絡まる知識に頼る。 日曜の事、展示の作品を手に取して サインが入っていないことを確認した女性が 眉を寄せ「銘(名)入りじゃないのね」と呟いた。 そうか やっぱり 名前が無いのは二束三文という概念があるんだろうな。 分かってはいたけれど迷いに迷い 名前を入れないことを選択していたから 心が固まった。 暗号みたいなサインでも考えようかと 思ったりする。