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その理由

「人間は死ぬことが出来るから」がその理由だった。 『人造人間の“私”』  世界のドキュメント 出かける準備をしながらのながらテレビに加え、 部分的な視聴だから番組の全体は見えていなかったのだけれど^^ 聴覚は音を受け入れる態勢にない状態で 「ロボットと人間は違うか?」AIロボットが少年に質問する声を拾った。 少年は考える間をおいて「違う」と答える。 この微妙な「間」に、少年は何を考えたのだろうか? 「人間は100歳まで生きられる」と少年が言うと、 「ロボットはスイッチを切るまで永遠に生きられる」とAIロボットが答える。 映画 『アンドリューNDR114』 がリアルっぽく甦る。 そんなやり取りの後、 「ロボットと人間どちらがいい?」AIロボットは聞いたと思う。 アンドリューは人間の女性と恋に落ち結婚した…のだけれど、 少年は「人間がいい」、意外にもあっさりと答えた。 けれど驚いたのは、「人間がいい」の言葉に衝いて出た       その理由だった。   「人間は死ぬことが出来るから」 注視したモニターの映像は一瞬に過ぎ、 少年がどんな表情でその言葉を口にしたか認識できなくて、 多分、無表情だっただろうな…。 少年の知的レベルはかなり高いかもしれない… 同じ年齢を想定したら、私なんかじゃ、 人間を選んだ理由にこの言葉が飛び出すなんてありえない。 思えば少年の年齢よりずっと後のことだ、 「人間は死ぬ」ということを意識して 手にした最初の書籍が 『高瀬舟』 だった。 鴎外は「高瀬舟縁起」の中で、「高瀬舟」のテーマは、 安楽死であると明言していた。 あれからどれくらい月日が流れたかな。 どこへ行くのでもなく車を走らせ、 こうして生きていることも不思議なほど くたびれていた精神状態のとき、 偶然ラジオから流れてきたのは    私は生きようとする命に囲まれた   生きようとする一つの命である            Schweitzer 私はテレビを切って外に出た。 カギを掛け忘れそうになる…(*´v゚*)ゞ、