かにかくに



誰にも行き詰まることがあるから
あれやこれやとグッタリ疲れ、ふらりとドライブに
たどり着いたのは飛騨の金山。

細い路地は、一人通るのがやっと。
隠れるように残されたベンガラの壁
網代張りの戸袋や下見板張りの外壁などなど
往年の宿場町の賑わいを今に語る。
観光地としての夢はまだ眠ったままであることに
なぜだかほっとしながら町を歩くと
『日本書紀』で皇命に逆らう賊とされた両面宿儺の伝説
歴史から抹殺された飛騨の不思議に出会った。

  帰宅してからnetで検索
  「安吾の新日本地理 飛騨・高山の抹殺 ―中部の巻―」
  (坂口安吾著)を見つけました。
  長い文章なので、お時間があるときにでも検索してください。
  文末に添えられていたのは

  かにかくに物は思はずヒダたくみ打つ墨縄のただ一筋に  人麻呂
疲れた心にずっしり落ちてくる。







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