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千秋の思い    

入院して四日目、私の精神状態は爆発寸前だった。 入院がこんなに苦痛なものとは思わなくて、 「通常、約一か月の入院です」と言い渡された時は途方にくれた。 それでも強引に主治医を説き伏せ退院を要求。 「明々後日、出張から帰ってきます。検査の結果でOK出しましょう」 と言う言葉を何とか取り付けた。 主治医を待つ二日間が、途方もなく長く感じられたものだった。 感じられる時間とは体験された出来事の数ではなく、出来事を「体験した」と認識するために必要な認知的負荷が大きいほど長くなることが示された。このような認知的要因が感じられる時間の長さに及ぼす影響は、従来考えられていたよりも強いことがわかった(千葉大 人文科学研究院/オープンアクセスジャーナルの「i-Perception」に掲載)。 ふむふむ、そういう事だ。 つまり、楽しいときは短く、退屈なときは長く感じる時間の流れ。 人が感じる時間の長さの違いは脳の認知的負荷で変化すると言う事。 ああ、あと二日、あと二日我慢したら退院できる。 たったなのかもしれない、「一週間で退院をするなんて無謀よ」 お世話になった25歳の理学療法士の女性が言った。 私は、一日千秋の思いで、主治医の戻るのを待った。