誰そ彼時
長電話をしていた。 陽もすこしづつ長くなりはじめたからでもないのに たそかれどき(誰そ彼時)の電話は長くなるらしい。 ねえ、君は知っていたのだろうか? ももいろの金平糖の花が満開になって そこにとっておきの時間が眠るからって 焦って時間を使っていたころが一番輝いていたってこと。 けれど毎年まいとし、誰かを待たせて金平糖の花が咲くものだから わたしはとても思い違いをしていたようだ。 外はたそかれどきでその続きを覚えちゃいないけれど、 もうじき会いたいと、 …蛍も飛ぶ。