倒木更新




できるだけ自然のままを残しているってね
人の手が入らないその森で数百年も生き続けた檜が倒れた。
檜の倒木は、年月と共に朽ち果て、表面に苔がはえ、
そこに種子が落ちて、檜の子が育ち始める。

これが『倒木更新』だと
道理をわきまえた人は続ける。





 「そこは下草に邪魔されないから光がよくあたる。
 倒木の豊富な養分と苔による適度な保水力によって、
 檜の子はよく育つ。
 親は子のために身を横たえる。
 年月が過ぎ、檜の子が大きくなり、
 倒木はやがて消滅するけれど、そこに倒木の形が残る。
 それを『根上がり』と人は呼ぶ。
 『親が子を守り、子が親を忘れない』
 これこそ自然の本来の姿だ。

 私達は、子供達の未来に何を残せますか?」

と結ばれていた。
 
立派な理論立てが多くの人を感動させる。
だろうけれど、
のだけれどね…、
わたしは悲しい気持ちになった。
「親が子に何を残すか」ですって、
「残すのじゃないkamo…」そんな気がした。

何故そう思ったかの答えを
東田直樹氏がインタビューの記者に送った手紙にみつけた。
NHKスペシャル:自閉症の君が教えてくれたこと
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この手紙が書かれた切っ掛けは、
同じ重度の自閉症の子を持つ親(米国人)が、彼に悩みを打ち明ける、
確か、そんなシーンからだった。
「この子で私の子孫は絶えます。その覚悟をしなければならない…」
それに対して東田直樹氏(彼も自閉症だ)が返した言葉だった。
なんとストレートな遣り取りだろうと思った。
手紙をコピーさせていただいた。

  僕は命というものは
  大切だからこそ
  つなぐものではなく
  完結するものだと考えている
  命がつなぐものであるなら
  つなげなくなった人は
  どうなるのだろう
  バトンを握りしめて
  泣いているのか
  途方にくれているのか
  それを思うだけで
  僕は悲しい気持ちになる
  人生を生き切る
  残された人はその姿を見て
  自分の人生を生き続ける
  *NHKのwebページより



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