有色人種のトイレがない     




米航空宇宙局(NASA)は、
差別と不平等を解消する取り組みの一環として、
不適切な愛称で呼ばれる惑星や天体を
今後は国際天文学連合(IAU)の正式名称を使用すると発表した。
— NASA (@NASA) August 5, 2020

1787年にウィリアム・ハーシェル氏が発見した「エスキモー星雲」
エスキモーは北極圏の先住民に対する人種差別的な用語なのだそうだ。
また「シャム双生児銀河」のシャムは、タイの双生児兄弟が
サーカスで見世物にされていたとき使用されたいた名前らしい。
そう、あのNASAが今頃になって不平等の解消?…と、思った出来事だった。
そして、想像力の無さすぎでというか
人間には慣れがある。
無意識に人を差別することがあるってことだ。
しかもこの公表には続きがある。

これらの発表に対し、ネットでは
「今度はキャンセル・スペース・カルチャーか。
 人類はジョークと化した。巨大な隕石が我々を一掃するのも時間の問題だ」
「素晴らしいアイデア!これらはマイノリティの生活向上に役立つだろう。
 そしてシカゴやニューヨークでもすぐに発砲事件が消滅するに違いない」
と揶揄する声が上がった。
また「ブラック・ホールはもう使ってはいけない」とか
「ソンブレロ銀河は反メキシコ人の名前だ」
「NASAの仕事は宇宙の探索だ。美徳のシグナルを送って、
目覚めたカルトに譲歩している場合ではない」などの声が寄せられた。


「黒人の命も大切だ」と叫んで起こった社会運動にもみられ、
時に、否、そのムーブメントの多くが歪な方向へねじ曲がる。
そうした負の側面を多く抱えているにもかかわらず、
誰も反論できない可笑しな正義が闊歩する。
なぜだか「我々は弱者だ」と訴え、暴徒化する人々に対して、
正面からの反論すら許されない正義とやらが暗黙の内に醸成される。


NASAも人種差別や女性軽視の風潮が当時は普通だったのだろうとは思う。
それを考慮しても、巷は良くも悪くも言いたい放題だ。
このごろこうしたキャンセル・カルチャが怖いと思うことが増えた。

TOYOU2020(日本の五輪)にも吹き荒れたし、
日本のワクチン開発が遅れた原因に吹き荒れたのも、
誰かに動かされた自称賢い女達のキャンセル・カルチャだ。
遡れば戦時下、これもまた自称愛国者の女達が、
標語を掲げ町を練り歩いたのも同じ現象だ。
SNSや学校でのイジメ問題も、よく考えれば、
否、考えなくても私にも貴方の中にも連綿と受け継がれ、
DNA としてしっかり組み込まれた遺伝子なんだとつくづく思う。
だから、自由民主主義は人間としての成熟を必要とする。
成熟が望めないなら専制主義の●国式民主主義とやらを取り入れるしかない。

キャンセル・カルチャは
犯罪者がかなりを占める不法滞在者問題にも吹き荒れた。
犯罪目的の不法滞在となれば、どちらが正義だなんて簡単には言えないのに。
特定の人物や団体の発言や行動などをやり玉にあげたり、
一方的正義を振りかざし、過激な批判や不買運動などにを起こして排除する。
これはよく経験するお隣の国々にしばしば見られることだ。
私のどこかにも、そうしたDNAが受け継がれているとしたらと、
自分自身にうんざりもする。

プロパガンダに巻き込まれる愚かさだけは避けたいと思うのだが。
しかしプロパガンダの罠は民主主義社会の至る所に巧みに仕掛けられている。
例えば1960年代のNASAを舞台にした『ドリーム(2016)』という映画がある。
そこには、有色人種にはトイレがなかったとなっていたが、
黒人女性を主人公にし、人種を越え性別を超えて行くサクセスストーリには
「有色人種のしかも女性用トイレがない」というキーワードは、
物語を盛り上げるための重要な脚色ワードであったようだ。
そうした、話が盛られ、追加され、創作された部分がないと、
大衆受けしないというのも、なんだかな情けないほど悲しいものだと思う。
NASAではいろいろ経緯はあっただろうが、
黒人女性は白人女性と同じトイレを使用していたし、
そもそも女性がいない、or少ない(…?)職場だったらしい。
「有色人種のトイレがない」は象徴的に使用され、
事の成り行きよりも、黒人差別と女性蔑視を悪の根元とすれば、
黒人女性のサクセスストーリーは輝きを増すのだろう。
そして、容易く賛同を得られるキャッチフレーズとして、
正義の王道とやらを闊歩する。
こうして差別のキャンセル・カルチャは独り歩きをする。

そうした手法は社会派ドキュメンタリー映画によく使われるものだとは知っていたが、
それだけでもないらしい。
先日、2019年のやらせの黒人差別事件の判決が出た。
黒人の本人がお金で雇って、やらせの黒人差別を仕組んだのだ。
黒人本人には有罪判決が下った。

どんなに薄っぺらな紙切れ一枚にだって裏表があるんだから。
もちろん戦争も事実は一つでも、真実は人の数だけあると言うことだ。
表だけで成り立っているものなどこの世に何一つない。それが真理だ。
ましてや絶対の正義だけで成り立つことなど、
それこそ絶対にありはしない。




コメント

kanata さんの投稿…
白も白という色ですよね。
肌の色に比例して頭が良いと何かで読みました。
そう、濃いほどいいのです。
森鴎外はドイツへ留学して、西洋人を美しいと思うと
日本はいつか大変なことになると詠嘆したとか。
美の基準?
あきのの さんの投稿…
「色の白いは七難隠す」なんて言います。
先日、ドキュメントかな?
「エチオピアの巡礼」の記録映像を偶然見て思いました。
エチオピアの人は美しい顔立ちの人が多いと思いました。
褐色の肌は彫りが深く、鼻筋が通り、やや切れ長の美しい目です。

近頃日本の女子が、SNSでUPする自分の顔を顔加工アプリで盛りますが、
あの「目ぱちくり」と「ぽってりおちょぼ口」とは違い、
十代半ばでも大人の女性の顔なのです(私好みです^^)

日本人はと言えば、とても子供っぽい顔の人が増えました。
日本人男子の整形もお化粧も偏見がなくなってきたからでしょう^^
若い人の成形美容は韓国と同じくらい増えたかもしれませんね。

でも、残念なのはみんな似たような顔になってきたことですね。