なんて      



こっけいな軒下くらし




七夕が過ぎるころ
頬をかすめてゆくすずかぜに秋の気配を感じたものだ。

グレゴリオ暦の8月の中旬から下旬を行ったり来たり、
迷走しながら秋の気配を連れてくる。
当たり前のように幾つかの不可避を受け入れた。
それが人生というもの。
わたしは物知り顔につぶやいた。

「あらゆるものごとは
なにごともなかったように消えていくものだ」ってね。

それからは、
眠れない夜っていうやつ、そんな夜が増えた。
だからね、
軒下をちょっとばかし抜け出した。
抜け出してはみたものの

なんてこっけいな軒下暮らしだろう。




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